今回はマイクに入ってしまう環境音を簡単に消す方法を紹介します。
PCでゲームをする方や、Zoomなどのビデオ会議をされる方に当てはまる方に該当する内容になっているため、プレイステーションやXboxなどのCS機の方には向いていない内容になっているのでご注意ください。
無料で使用できる「SteelSeries Sonar」というソフトウェアを使用する方法になっており、聞き比べられるように音声を収録したものも用意してみました。
環境音を消すだけでも劇的にマイク音声が変わると思いますので、気になる方は一度試してみてください。
こんな方におすすめ
- マイクにエアコンや扇風機・テレビの音・周りの声などを入れたくない方
- iPhoneの純正イヤホンなどあまりマイク音質が良くない製品を使っている方
- 出来ればお金をかけたくない方
- 通話相手を不快にしたくない方
- マイクの音質を良くしたい方
こういった方は改善できる見込みが大いにあるので、ぜひ「SteelSeries Sonar」を使用して試してみましょう。
「Sonar」有・無でマイク音の聴き比べ
まずはどのような効果があるのか、実際に聞き比べて違いを聞いてみてください。
集音した環境は下の通りです。
集音環境
- PCへiPhoneの純正イヤホンを接続
- iPhoneから騒音BGMを最大で流して集音(マイクとの距離約60cm程度)
使用BGM/YouTubeより→【都会の音】駅改札口付近の話し声や足音 雑音BGM - EarPods(iPhone純正イヤホン)の説明文を一部を朗読
「SteelSeries Sonar」なしで集音したマイク音
後ろでがガシャガシャ鳴っているのがiPhoneで流しているYouTubeの騒音です。
動画をiPhoneで最大音量にして流すと、自分から60cm程度距離を開けてもめちゃくちゃうるさいのがわかります。
「SteelSeries Sonar」を使用して集音したマイク音
「SteelSeries Sonar」なしで集音した環境と同じく、動画をiPhoneで最大音量にして流してる環境です。
どうでしょう?「SteelSeries Sonar」ありの場合だと、まったくと言っていいほど動画の騒音が聞こえなくなっていませんでしょうか。
これだけでかなり自分の声が相手に聞き取りやすくなりますし、何よりマイクに入ってしまう環境音で恥ずかしい思いをしたり、相手に不快を与えたりすることが少なくなります。
是非やってみたいと思った方は引き続き記事へ手順をまとめているので読み進めてみてください。
必要なものについて
「Sonar」を使い環境音を消すためには、下のような必ず必要なものがあります。
必須
- 「SteelSeries Sonar」への会員登録
→詳しくはこちらで解説しています - 3.5mmジャックもしくはUSBで接続できるイヤホンもしくはヘッドセット
(LightningではPCへ挿せません) - オーディオ変換ケーブル
3.5mmジャックタイプの場合
※MixAmpやGameDacなどのオーディオシステム変換機がある方は、3.5mmジャック・オーディオ変換ケーブルは必要ありません。
SteelSeriesのソフトウェアを使用するだけであれば登録の必要はありませんが、「Sonar」を使用する場合は必ず会員登録が必要になります。
→登録について
PCへはLightningタイプのイヤホンで接続することが難しいため、USBで接続できるタイプのヘッドセットやイヤホン(「Logicool G PRO X」など)、もしくは3.5mmのイヤホンジャックで接続するタイプのイヤホンやヘッドセットが必要なので、そちらも注意しておきましょう。
3.5mmのイヤホンジャックで接続するタイプのイヤホン・ヘッドセット(iPhoneの純正イヤホン(EarPods)など)は、オーディオ変換ケーブルも必要になります。
エレコム オーディオ変換ケーブル (4極メス- 3極オス,×2)
価格:約700円
マイク付きイヤホンをPCで使用するために必須の変換ケーブルです。
「3極メスx2-4極オス」と「3極メスx2-4極オス」は間違えないよう気を付けてください。
もし、MixAmpやGameDacなどを持っている方であれば「SteelSeries Sonar」への会員登録だけでOKです。
Sonarのマイク設定(セットアップ)
アカウントの登録がまだの方は済ませておく必要があります。
不安な方はこちらで登録の流れを記載しているので参考に!
ダウンロードしてアプリ「SteelSeries GG」を立ち上げます。
マイクのセットアップは以上です。
選択マイクが間違っていなければ、音声ゲージが反応してくれます。
※たまに反応しないことがありました。
反応しない場合はシステム設定のサウンド設定やサウンドの詳細設定も確認してみてください。
Sonarでマイクから入る環境音を消す設定
まずは上のメニューにある「マイク」を選択し設定画面へ移っておきましょう。
こちらが本題ですが、マイクに入る環境音を消す設定には大きく分けると2パターンあります。
好みが分かれる点なので、自分の合う方法で行ってみてください。
①CLEARCAST AI NOISE CANCELLATIONを使う
最も手っ取り早く環境音を消すことができる方法が、「CLEARCAST AI NOISE CANCELLATION」をONにする方法です。
「CLEARCAST AI NOISE CANCELLATION」はAIが勝手に声以外のノイズを判断して消してくれます。
「最小」から「最大」までのスライダーがありますが、これはノイズを除去してくれる強さのようなものなので、マイクテストを活用しつつ微調整してみてください。
自分は最大に近い値にしていますが、自分の声がカットされるようなこともないので結構強めでも問題ないようです。
(使用するマイクによって変わる可能性あり)
サンプル音声はこちらです。
(iPhoneでYouTubeの雑音動画を最大で流して収録しています)
聴き比べの項目の方でも載せていたものですが、かなり聞こえが良くなっていますよね。
この方法がおすすめなのは「周りに人がいない環境の方」です。
というのも、人の声はしっかり認識してくれるので、近くにいる人の声がマイクへ通ってしまう場合があります。
そのため、鼻息やエアコン、近くを通る車やバイクなどの物音などはほとんど入りませんが、人がしゃべったり笑ったりする声はマイクに入る可能性が高いです。
これが「CLEARCAST AI NOISE CANCELLATION」の唯一のデメリットでしょう。
一応ですが、スライダーを最大にして様々な方法で試してみました。
ポイント
- テレビの音量をヘッドセットをしてもうるさいくらいにして集音(〇)
(密閉タイプのヘッドセット) - 3mほど離れた距離で大き目の声で会話(〇)
- 2mほど離れた距離で大き目の声で会話(▲)
- 1mほどの距離で普通に会話(✖)
テレビを近所迷惑になるくらい大きくした状態で集音してみましたが、問題なく消すことができて驚きました。
3m程度離れて大き目な声で話しても問題なかったです。
2m辺りからは大き目な声だと途切れつつ少し入っていたので、高音気味の刺さりやすい声だと拾われやすいのだと思います。
1m付近では普通の会話程度の音量でも入りました。
やはり人の声はノイズ判断されないため除去されにくいようですね。
ただ、あくまでiPhoneの純正イヤホンを使用した場合の検証なので、使用しているマイクによって集音の具合が変わります。
私が検証した結果は参考程度にして、実際に自分のマイクで試してみてほしいところです。
「CLEARCAST AI NOISE CANCELLATION」の機能自体はめちゃくちゃ優秀なので、自分以外誰もいない環境とかであれば、この方法はかなりマッチすると思います!
ノイズゲートとノイズ除去を使う方法
先にノイズ除去とノイズゲートの詳細について書いておきます。
「CLEARCAST AI NOISE CANCELLATION」をオフにしてノイズ除去とノイズゲートで調整した音声のサンプルを用意しました。
(iPhoneでYouTubeの雑音動画を最大で流して収録しています)
こちらも同じ環境で収録していますが、「CLEARCAST AI NOISE CANCELLATION」をオンにした時より聞こえが悪いと思います。
ただこれには理由があり、しきい値という「ある一定の音量より小さい音はすべて除去する」という設定で収録しているからです。
そのため、少し音量の小さい声の部分は途切れているように聞こえています。
機械音っぽく聞こえるのは、本来ノイズをカットしなければ聞こえてしまうYouTubeの雑音動画の音が混ざっているためです。
今回は極端にうるさい環境で収録しているのでサンプルのように不自然に聞こえますが、テレビの音や周りのしゃべる声程度の音量をカットするのであればきれいに聞くことができます。
そばに誰かいる環境で通話をしなければならない場合など、確実に周りの音をカットしたい場合におすすめです。
スライダーを上げすぎると声までカットされてしまうので、マイクとできるだけ口元に近づけるなどいろいろ工夫してみてください。
イコライザーでマイク音質を向上させる
最後にマイク音質を良くする方法です。
iPhoneに付属している純正のイヤホンマイクなどはお世辞にも音質が良いとは言えないですよね。
このマイク音質の部分でも「Sonar」は結構良い仕事をしてくれます。
「イコライザーを特に設定していないマイク音」と「イコライザー設定を施したマイク音」で、先ほどとは違い「YouTubeの雑音動画を流していない状態」で録音したサンプルを用意しました。
イコライザー設定なしのマイク音質
イコライザーで設定を施していないフラットな状態のサンプル音を聞いてみてください。
こちらはノイズ除去や、「CLEARCAST AI NOISE CANCELLATION」もオフの状態で録音しています。
音質は中高音が高めで、低音域が低くスカスカした感じの音です。
高音域が強い分やや刺さるような音に聞こえます。
ノイズ除去されていないため「サー」という音もあり、聞き心地あまり良くないですね。
イコライザー設定を施したマイク音質
低音域を強めに設定し、中高音域を下げた設定で調整してみました。
耳に刺さる感じが抑えられ、聴き心地が良くなったように感じる音になっているのではないかと思います。
イコライザーをいじるだけで結構印象が変わりますよね。
イコライザー設定は声質によっても調整が変わるので、自分の声を聞きつつ調整してみましょう。
コンプレッサーについて
コンプレッサーという機能についても簡単に説明しておきます。
ここでのコンプレッサーは音の大きさを一定に保ってくれる役割で、「小さねば声は大きめに」、「大きすぎる声は小さめに」といったような調整を自動で行ってくれるものです。
スライダーを右に寄せればその効果が強くなり、左に寄せれば小さくなります。
小さい声でしゃべりがちな方は、スライダーを右に寄せると相手に声が伝わりやすいですね。
もちろん大きい声を出しても自動で小さめに調整してくれるので、上手く活用するとバランスのいいボイスチャットが可能になります。
マイクに入る環境音を消す方法のまとめ
今回はソフトウェア「SteelSeries Sonar」を使いマイクに入る環境音を消す方法を紹介いたしました。
ソフトウェア自体は無料で使うことができますが、PCにイヤホンやヘッドセットなどを接続するにあたって必要なものがある点は注意してみてください。
マイクに入ってしまう環境を消す方法はたくさんありますが、この「SteelSeries Sonar」はやってみれば結構簡単だと思います。
SteelSeriesの製品じゃないと使えないような縛りがないのもありがたいですよね。
イコライザー設定については今回マイクに関する内容でしたが、もちろん聞く側の音質も自由に設定できます。
サラウンド機能も自分好みに設定できたりするので、聞く側にもこだわりたい方は試してみてください。
そちらについては簡単ですが『無料イコライザー「SteelSeries GG SONAR」のおすすめ』という記事でまとめさせていただいているので、気になった方は覗いてみてください。