TP-Linkより新しく発売されているWi-Fi6ルーター「Archer AX23V」をレビューさせていただきます。
前回、同じくTP-Linkから発売されている「Archer AX73V」をレビューさせていただいているので、そちらの製品との比較も用いてネット回線速度や性能をまとめました。
大きなポイントはやはり「5千円のWi-Fi6ルーター」というところで、この価格帯でどのくらい性能が高い製品のなのかが気になるポイントになるでしょう。
それでは「Archer AX23V」のポテンシャルをチェックしていきましょう。
AX23Vのポイント
- 5千円台で購入できるWi-Fi6対応ルーター
- 最大1.8Gbps(1201Mbps:5GHz + 574Mbps:2.4GHz)の速度
- AXシリーズで最もコンパクトなサイズ
- 縦置き・壁掛けができる
- 遠くまで届くビームフォーミング技術搭載
- 初期設定が簡単
- 最大36台接続可能
この記事は、TP-Link様より提供のもと記事を執筆しております。
TP-Link Archer AX23Vのスペックや特徴
公式サイト:TP-Link / Twitter:@tplinkjapan
製品ページ:「Archer AX23V」
「Archer AX23V」は、TP-Linkで非常に人気な縦置きのシリーズから、よりコンパクトな製品として登場しました。
価格 | 5,980円 税込(Amazon価格) |
規格 | Wi-Fi 6 ・IEEE 802.11ax/ac/n/a 5GHz ・IEEE 802.11ax/n/b/g 2.4GHz |
Wi-Fi速度 | AX1800 ・5GHz:1201Mbps(802.11ax, HE80) ・2.4GHz:574Mbps(802.11ax) |
Wi-Fi範囲 | 4LDK ビームフォーミング クライアントに無線信号を集中させWi-Fi範囲を拡大します 高性能FEM 送信パワーを改善し信号範囲を強化します |
Wi-Fi性能 | 高(High) デュアルバンド 最適なパフォーマンスを得るためにデバイスを異なる帯域へ割り当てます OFDMA 複数のWi-Fi 6対応クライアントと同時に通信します エアタイムフェアネス 帯域の過度な占有を制限することによりネットワーク効率を向上させます DFS 電波干渉の少ないDFS帯を利用できます 4ストリーム デバイスをより多くの帯域幅に接続させます |
セキュリティ Wi-Fi暗号化 | • WPA3 • WPA2 • WPA • WPA/WPA2-Enterprise (802.1x) |
ネットワークセキュリティ | SPIファイアウォール アクセスコントロール IP & MACバインディング アプリケーション層ゲートウェイ |
動作モード | ルーターモード ブリッジモード(アクセスポイントモード) |
有線ポート | ギガビットWANポート×1 ギガビットLANポート×4 |
メッシュ | OneMesh™ |
最大接続可能台数 | 36台 |
寸法 | 150×130×40.3 mm |
パッケージ内容 | ・Archer AX23V本体 ・スタンド ・電源アダプター ・LANケーブル ・かんたん設定ガイド |
Archer AX23Vの外観レビュー
全体的な外観は、これまでに発売されている「Archer AX73V」や「Archer AX80」などと似ていますが、「Archer AX23V」は全体のサイズが150×130×40.3 mmで、前回レビューした「Archer AX73V」の200 × 189 × 59 mmと比べると、かなりコンパクトなサイズだということがわかります。
文庫本より一回りほんの少し大きい程度のサイズです。
本体は写真のように壁掛けも可能です。
サイドにはインジケーターランプがあります。
- 電源ランプ
- 2.4GHz Wi-Fiランプ
- 5GHz Wi-Fiランプ
- インターネットランプ
- LANランプ
- WPSランプ
ポートの部分にはリセットボタンが左へ備わっており、ポートはギガビットWANポートが一つと、ギガビットLANポートが4つ備わっています。
2.5GbpsのWANは備わっていませんが、最低限のポート数があるのでまったく問題ないでしょう。
ネット回線速度と安定性は?
「Archer AX23V」を使用したネット回線速度の実測値を記載しました。
今回計測した環境は3LDKであり、ルーターは2階の角部屋へ設置しています。
回線情報
- 光回線:ドコモ光回線×GMOとくとくBB
(V6プラス IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6)
参考記事⇨ドコモ光ユーザーのためのプロバイダー選び方ガイド - 計測したデバイス:スマホ
- 測定時間帯:20時〜21時ごろ
ルーターから近い場所での計測値
ルーターのほぼ目の前で計測した結果です。
5GHz帯では下りが350〜400Mbpsで、2.4GHz帯では180〜250Mbps付近の数値が出ているため、ネット回線は非常に速い結果となりました。
数日間「Archer AX23V」を使用した環境で過ごしましたが、回線の途切れや極端に数値が落ちるようなこともないようなので、安定性に関しても問題ないことが確認できました。
「Archer AX23V」は、「Archer AX73V」に備わっていたデュアルバンド高性能アンテナがない分、Wi-Fiが届く範囲的に問題があるかもしれないと感じましたが、私の3LDKの自宅では問題なかったのでそこはホッとしております。
ルーターから遠い場所での計測値
ルーターから最も遠い1階の部屋で計測した結果です。
5GHz帯では53Mbpsという数値が出てはいましたが、障害物に弱い分途切れることが少しあったので、安定性としては少し物足りなさがあるかと思っています。
2.4GHz帯では39Mbpsという数値が出ており、こちらに関しては途切れはなく安定性は問題ありません。
最も遠い位置でもWi-Fiは届いており、39Mbpsほどであれば単純なオンラインゲームや、4Kのストリーミング再生も問題なく視聴することができます。
結論:Archer AX23Vのネット回線速度は非常に早く、安定性も3LDKなら問題なく届く!
他製品との比較
私がこれまで使用したTP-Link製品のルーターによる数値を元に、比較表を掲載したので確認してみてください。
回線速度 | ハードウェア | 最大接続可能数 | |
Archer AX23V 5,980円(税込) | 5GHz帯 ・下り:360.2Mbps ・上り:206.8Mbps 2.4GHz帯 ・下り:109.3Mbps ・上り:104.3Mbps | ー | 36台 |
Archer AX80 12,500円(税込) | 5GHz帯 ・下り:433.9Mbps ・上り:251.5Mbps 2.4GHz帯 ・下り:88.2Mbps ・上り:51.1Mbps | 1.6GHzクアッドコアCPU | 100台 |
Archer AX73V 10,505円(税込) | 5GHz帯 ・下り:413.7Mbps ・上り:243.1Mbps 2.4GHz帯 ・下り:84.9Mbps ・上り:41.1Mbps | デュアルコアCPU | 80台 |
Archer AX73 12,120円(税込) | 5GHz帯 ・下り:400.4Mbps ・上り:310.5Mbps 2.4GHz帯 ・下り:70.2Mbps ・上り:50.1Mbps | 1.5GHzトリプルコアCPU | 80台 |
Archer AX53 7,854円(税込) | 5GHz帯 ・下り:320.0Mbps ・上り:290.8Mbps 2.4GHz帯 ・下り:63.5Mbps ・上り:43.4Mbps | デュアルコアCPU | 42台 |
「Archer AX23V」は比較表に記載している中で最も価格が安い製品です。
価格が安い割にしっかり回線スピードも出ており、回線速度に関しては他製品と比べても極端に違いはないことがわかります。
上位製品との大きな違いについて
価格が5,000円台と最も安い価格帯なので、他の製品より劣る部分はもちろんあります。
(※「Archer AX73V」の仕様を参考に記載)
違いについて
- AX1800規格(1204+574Mbps)
- 最大接続可能台数か36台
- デュアルバンド高性能アンテナが備わっていない
- DFSが備わっていない
電波干渉の少ないDFS帯を利用できる - 4×4 MU-MIMOが備わっていない
複数のMU-MIMO対応クライアントと同時に通信できる - ボタンが最小限の機能のみ
- HomeShield セキュリティが備わっていない
リアルタイムIoT保護
悪意のあるサイトのブロック
侵入防止システム
DDoS攻撃の防止
ホームネットワークスキャナー
だいたいこのような点に違いがありました。
HomeShield セキュリティが備わっていない点は、人によっては引っ掛かる点になるかもしれませんね。
価格が違う分必要最低限の性能に抑えられている印象です。
Archer AX23Vの設定や管理について
設定について
初期設定は、これまでのTP-Link製品のルーターと同様非常に簡単です。
TP-Link Tether
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スマホで「Tetherアプリ」をダウンロードし、アカウントを作成することで簡単にセットアップと管理を行うことができます。
一部参考までにアプリの画面を載せておきました。
手順としては、専用アプリを立ち上げて画面の指示に従いタップして進めていきます。
目で見て何をすればいいかわかるので非常に簡単です。
ルーターの接続が難しそうと感じている方でも、意外と素早く設定を終えることができるのではないでしょうか。
管理について
専用アプリでは、現在接続しているデバイスや、使用したい周波数の管理などを行うことができます。
- 接続機器の管理
- 周波数帯の管理
- ゲストネットワークの管理
※その他にも多数の管理機能が備わっています。
お客様など来客者が使用する端末をWi-Fiに接続させる際も、わざわざパスワードを入力してもらう必要がなく簡単に済ませることができます。
アプリの管理機能はあまり使う頻度は少ないかもしれませんが、細かく設定をしたい方は重宝する機能でしょう。
「Archer AX23V」はおすすめ?
結論から言うと、「Archer AX23V」はかなりおすすめ度の高い製品です。
体感(回線速度など)だけで言えば、「Archer AX80」や「Archer AX73V」といった上位製品と大差はないと感じています。
接続可能台数が36台なので、人によっては物足りない可能性もありますが、大人数で生活していないのであればさほど問題はないでしょう。
もう一点は「HomeShield セキュリティ」という機能が備わっていない点があるため、サイバー攻撃を検知してスマホ、タブレット・PCなどよりしっかり保護しておきたいという方は、上位製品である「Archer AX73V」などの方がおすすめになります。
コストパフォーマンスがめちゃくちゃいいWi-Fi6ルーターということは間違いないため、3LDK程度の広さに住まわれている方は最適な選択肢の一つになるでしょう。
まとめ
TP-Link様より発売された、「Archer AX23V」に関するレビューをまとめさせていただきました。
Archer AXシリーズの中で最もコンパクトで低コストなWi-Fi6ルーターが登場したので、これまで以上に手に取りやすい製品となっています。
9,500円〜15,000円の価格帯のルーターとの比較についても書いているので、購入する方にとっての判断材料になっているのではないかと思います。
改めて「Archer AX23V」の良し悪しについてまとめたので確認してみてください。
良いポイント
- AXシリーズ最小でコンパクトなサイズ
- 5,000円台で購入できるWi-Fi6ルーター
- 設定がスマホで簡単に済ませられる
- アプリでパスワード共有ができるので、別の端末も簡単にWi-Fi接続可能
- ネット回線速度は上位製品と大差がない
良くなかったポイント
- 本体に指紋がつきやすい
- HomeShield セキュリティがついていない
- 3LDK以上の場合少しネット回線速度が不安
以前はTP-Linkでリリースされている中で「非常にちょうどいいルーター」として「Archer AX73V」を紹介していましたが、今回の「Archer AX23V」はより一般家庭に適したルーターとしておすすめできる製品となりました。
ぜひ製品の方を比較するなどしてチェックしてみてください。